かっこいいインフラエンジニア

Summitで展示を拝見させていただいていた数社さんといろいろお話をする機会をいただき、最近は楽しくお話しをさせて頂いております。

どうも、この手の展示会のあとに「MTGしませんか!」ってくるとすわ売り込みか!って昔は身構えていたんです。まあ今でもそういうのもあるといえばあるんですが、最近は私自身の意識も大きく変わってきていて、会えるならだれとでも会おう、みたいな感じになってきています。

 

え、普通だって? いやいやいや。

 

何もなければ家から一歩だって出たくないしそもそも知らない人と会うとか話すとか苦行だと思ってた引きこもり系エンジニアがこんなこと言いだしている時点で、0歳児がしゃべったァ!ってなるくらいの奇跡です。

まあそういう意味でもいろいろ私と仲良くしてくださって、様々な影響を私に与えてくださった皆さんには頭が上がらないわけですが。

さて、そんな中で某社さんの方から「うちのエンジニアからBlog読んで、これだけは伝えろ!って言われました!」っておっしゃっていただいたのが、「インフラエンジニアをかっこよくしようぜ!」です。

さて、改めて言われてみると不思議に思ってしまったのが、そもそもインフラエンジニアってかっこ悪いだろうか、と。不人気だとは思いますが、かっこ悪いか、って言われると実はちょっと違うかも、と思ったんですね。

 

いいですか皆さん。確かにインフラエンジニアは地味です。地味中の地味です。なおもっと地味な奴にネットワークエンジニアっていうお友達がいます。こいつはもっと地味なんでマウント合戦したら勝てるかもしれません。しないけどw

フロントエンジニア。ああ、かっこいいですよね。なんかあいつら、先のとがった靴とか履いてるんだよね。なんなのアレ。スニーカー履けよ楽だぞ。

AIエンジニアとかデータサイエンティスト。ああ、もう名前がかっこいいよね。何やってるか誰にもわかんないとかもっとかっこいいよね。誰にもわかんない仕事でどうやって儲かるのかわかんないけどw

Webデザイナー。帰れ。お前はエンジニアじゃない。たぶんパリピかなんかだ。陰キャの群れにすり寄るんじゃない。いや、冗談です。いつもお世話になってます。彼らも先のとがった靴履いてる印象があります。もちろん実際のデザイナの知り合いにそんな奴一人もいませんので、ただの印象操作ですがw

フルスタックエンジニア。なんでもできるぜ。何でもできるのはすごいことで、一人で完結します。素敵ですね。でもですね、この領域専門特化が激しい現代で、本当にフルスタックって全方位で完璧なんでしょうか。という疑念はずっとあります。いろんなものが抽象化され、手軽さが高まったが故にそれぞれの領域を深堀する必要が薄まった結果、というイメージなんですよね。もちろん中には化け物みたいなのがいるんで、そういうのはもう恐怖しかないんですが。なんなんアレ。

セキュリティエンジニア、バックエンドエンジニア。ああ、なんかちょっと親近感がわき始めました。友達感を感じます。言い換えれば同類の香りがしてきます。ちなみに名前がかっこいいAIエンジニアとかデータサイエンティストにも実は親近感がありますが、ちょっと領域が隣接しないので、少し遠い印象ですね。

ネットワークエンジニア。マブダチです。

 

さて。なんか余計なことを書いた気がしないでもないんですが。

かっこいい。かっこいいって何だろう。ってことなんですね。例えばほら、ジャンプとかで主人公のピンチにさっそうと現れるかつての敵。かっこいいよね。文句は認めないw

で、たぶんこのかっこよさを実は自分は求めてないのだ、ということを思い知った、という話なんですよ。

私の思い描くかっこよさ、って実はインフラエンジニアって満たしているんですよね。世間様がどうかは知ったことじゃねぇwwww そんなの求めてたら最初から目指してもいねぇwwww

つまりは私自身は実はインフラエンジニアってかっこええ!ってなってて、それで自己満足してて、承認欲求が自分自身から自分に与えられてて、ある程度満ちている、と。

書いてたらなんか、これただの自慰行為(検閲削除)ではないのか。

 

さて、せっかくなんで皆さんも自分で自分をかっこいいって思えるようにしてしまえばいいのです。つまり、価値観を共有する、ということです。直前に検閲されるようなこと書いた人が何言っても説得力がありません。かっこいいこと言った風でなにもかっこよくはありません。

 

で。閑話休題。先のことは忘れて。

インフラエンジニアのかっこよさ、はそこじゃあないんです。私が思い描くイメージにもっとも近いのは、宇宙戦艦ヤマトの真田さん。

たぶん読んでくださってる方の9割が「誰だよ!」ってなるんでしょうね、このご時世。口癖が、「こんなこともあろうかと」って言って勝手に余計な機能とかこっそりつけてて、ピンチになったらなんかそれ起動して助けてくれるエンジニア。

冷静に見たらとんでもないね、予算かってにちょろまかして自分の好き勝手に機能追加してて、それを黙っといて、挙句ピンチになってようやく偉そうにもったいぶって出してくるエンジニアってことだね。

全然かっこよくねぇな、おいw ただの外道じゃないか。

 

ええと、違う違う。もっといい例を。

ほら、アレだ。探査船はやぶさのエピソードとかいいじゃん。あれこそ「こんなこともあろうかと」の塊だったんですよ。知らない人はWikipediaでも読もう。すっごいいろいろ書いてくれてるし。この辺の宇宙探査系って、なんとなくインフラエンジニアに通じるなぁ、って思ってるんですね。

ボイジャーとかパイオニアもこういう話は多いんですよね。余談ですが、パイオニア・アノマリーについてはパイオニアが太陽系に帰りたかった説を推したいんですが、現実はそう甘くない。悲しい。

また話がそれましたね。要するに、インフラエンジニアのかっこよさって水面下でめっちゃ努力してることだと思うんです。それは誰にも見てもらえないかもしれないし、誰からも認められないかもしれません。でも、自分たちはそれが正しい、って思っているし、そうすることで世界がよりよくなっていく、って信じている。だからそうしている。

インフラエンジニアなんていう、そもそも不人気エンジニアを目指すような奇人変人がなんでそんなもん目指したのよ。って自問自答したとき、私の中ではその答えとして、「誰にも見えないとこで努力してる俺かっこよくね?」という、誰がどう考えても「お前…いまだに厨二病患ってんのかよ…」ってなる内容だったんですよ。

でもしょうがないじゃないですか。誰からどう見ても厨二病まっさかりみたいな、斜に構えて人と違う自分かっこいい、なんて思ってる自分に酔う、なんてどう考えてもいい年ぶっこいた大人が言っていいセリフじゃないんですが、それでもそれをかっこいいと思ってしまった自分は変えられないし、それがいまでもかっこいい、って思えてしまう自分も変えられない。変えたくもない。というかむしろ好き。

 

そして、それを誰もほめてくれないんだから、自分だけは自分をほめてあげなきゃしょうがないじゃないですか。

だいたい、いい大人がこんなこと主張して「ほめて!」とか言ってたらただ痛いだけの大人じゃないですかwwww だから、こういうのを胸にしまいこんで、でも心の中では「俺かっこいいんだぞ」って思ってきているわけです。

で、そういう自分で自分をかっこいい、って認めてあげるためには、最低限どうしてもやらなきゃならないことがある。

自分は、自分自身だけは、だますことが出来ないんです。他人相手ならだませるんですよ、なんか口八丁手八丁で嘘ぶちかまして、いいように見せることはできる。でも、自分は、自分だけは騙せない。

スキル磨くのサボった。今日設計で手を抜いた。やるべきことやらんかった。オペミスをごまかした。全部、他人は騙せるかもしれないけど、自分だけは騙せません。そして、それをやったら、自分で自分をほめられなくなる。それは、アイデンティティの根っこを崩してしまうような恐ろしいことでもあって、そこだけはどうにも手が抜けない。

まあ人間ですからね、どうしたって楽もしますし手も抜くことだってあります。

でもそれは全部後悔になってしまって、エンジニアって肩書に影を落としてしまう。だから、払拭するためにも楽をしたらその倍苦労しなきゃいけないし、手を抜いたらその倍以上何かを突き詰めなきゃいけない気にさせられる。

誰にも気づいてもらえない地下で、そういう生き方をする、あるいはせざるを得ないとこで世界を正しく回すために人知れず戦ってる、インフラエンジニアとかネットワークエンジニアとかっていうなんかよくわからん生き物。

 

私、すっげぇかっこいいって思ってるんですww これ以上かっこよくするの難しいんですけど、どうすればかっこよくなるんだろう…w

たぶん、わりと世界のねっこを支える、ってそういう仕事だと思うんですよね。これはインフラエンジニアとかに限らず、目立たないとこで世界を作ってる人ってもっとたくさんいるんですよ。じゃないとこんな複雑な世界が回るわけがない。

たくさんの人は、光り輝くステージが素敵で、アイドル目指すけど、それだって照明さんとかステージの木材切り出してる林業の人とか鉄鋼作ってる人とかいなきゃ成り立たないわけで、そういう方々も基本的には同じだと思うんですよね。

 

だから、きっと世界のすべての人が基本的にはかっこいいと思います。犯罪者以外。

きっと大事なのは、仕事だけじゃなくて、「自分が関わる全ての人が」潜在的にかっこいい人々だ、と認め合い、お互いを尊重することなんだろうな、と思うんですが、それこそ容易に実現できるようなことでもないんですが。

 

今回のオチ

あ、でも、かっこよくしよう、の意味がもっとインフラエンジニア人口増やすために世間から脚光浴びるようにしようぜ!って意味だったらごめんなさい。私、引きこもり系エンジニアなんで家から出たくありません。光浴びたら灰になるんで。

冒頭段落のことはもう忘れた(かっこわるい)。